METHOD
テレマークスキーで疲れない滑りを実践するために…
歩くように滑る
スキー操作を目的とした特殊な動きや技術を排して、日常の歩行運動に則した身体操作で滑ろうとする試みが、疲れない滑りへのアプローチです。
人間の歩行は、絶妙な動的バランスで成り立っています。一歩踏み出した足に体重は乗るも重心は乗らない、この不安定さが運動のエネルギーとなります。その際に体は筋力で無理にバランスを取らず、重力を利用しながら自然に次の一歩へと移行します。
このメカニズムはスキーのターン運動と深い関係があります。特にターン前半において、身体は一時的に不安定な状態を経験しますが、この不安定さこそが次のターンを生み出すエネルギーとなります。(この局面でいかに何もしないかがポイントです)
歩行運動のメカニズム/動的バランスを理解し、スキーの身体操作に活かすことで、より自然で楽な滑りが実現します。
重力を活用する
私たちは常に重力の影響を受け続けています。重力を上手に活用することで、少ない力で効率的に滑ることができます。
ターンの前半部分に於いて、滑り手の多くは重心をターン内側へ移動させる動きを見せます。この動作は直接的にスキーの進行方向を変えようとするもので、滑り手の自発的な運動と言えます。
疲れない滑りのアプローチでは、重心の移動を滑り手の自発的な運動として行うことはありません。日常の歩行に則した身体操作により意図的な不安定状態を作り出せれば、あとは重力が勝手に重心を移動させてくれるでしょう。重力を利用したこの動きは、筋力に頼ることなく自然な流れでターンを導き出します。
端的に言えば、一歩前に踏み出せば、スキーは勝手に曲がりだすのです。
スキーをたわませる
スキー板をたわませることは、すべてのスキーヤーに関わる基本的なテーマです。たわみはスキー本来の性能を引き出し、自由なターンをする鍵となります。体重による適切な荷重によって、特にスキーのテール寄り部分をたわませることで効果的な「ズレ」のコントロールが可能となります。
スキーをたわませるためにはスキーブーツの構造/設計への理解が不可欠です。ブーツ設計の大前提として、ブーツシェルの前傾角度によって決まるヒザの位置は、滑走中にそれ以上前に行くことはありません。言い換えればヒザを前に出してスネでブーツを押すといった使い方を想定してスキーブーツは設計されていません。正しいブーツの使い方はふくらはぎとハイバック(アッパーシェル後部)とが軽く押し合っている状態を保つことです。その上でハイバックによるサポートを活かしてテール寄りに重さをかけることにより、効率的にスキーをたわませます。
道具への正しい理解が、無駄な力を使わない滑りに繋がります。
成果保証
レッスンで上達が見られなかった場合、レッスン料金は全額返金します。